日本の若者の意識はこのままでいいのか?
私が政治家を志したきっかけは、21歳の時に世界18か国を周り、同世代の世界の若者と接したことだ。それぞれの国の課題を背負った彼らは、自分の人生も大切だが、個人の人生の土台となっている祖国の安定と繁栄がなければ、個人としての幸せもないということがわかっていた。そんな彼らからは国に対するプライドを感じた。
一方、当時の私は自分がどうすればより良い人生を送れるかしか考えず、国のことなんか考えたことがなかった。貧しい国の現状に触れるまで、日本に生まれたことや豊かさを築いてくれた先人への感謝の念など持ったこともなかった。日本での生活は「当たり前」だと思っていたのだ。
恐らくそれは私だけでなく多くの日本の若者に共通する意識だと思った。
「豊かさを享受するものがそれに対する感謝を忘れたとき、きっとその豊かさはなくなる」
日本に戻りそんな問題提起を周りにしだした私は、「変な宗教の人」と呼ばれるようになった。そんな周りの意識から変えていきたいと私は政治家を志した。
政治家としての私の「誠」
人間の意識などそう簡単に変わるわけがない。親や学校の教育、メディアの報道などで10年以上もかけて刷り込まれた情報によって作られた意識だからだ。しかし、日本人は昔から今と同じような意識だったのかといえばそんなことはない。少なくとも1945年に戦争に敗れ、占領されるまでの日本人の意識は今の我々とは随分と違ったはずだ。もっとさかのぼれば明治維新で急激な西洋化を進める前の日本人の意識はどのようなものだったのか。たった150年で我々の意識はどう変わったのだろうか。
「自分の足で立ち、大切なものは戦っても守る」そんな独立自尊の精神が先人の行動からは感じられる。自分たちの正しいと思うことは強いものに対しても堂々と発言した気概も。そんな人たちの子孫である今の日本人はこのままでいいのか。
私は政治家としての活動やインターネット動画、教育活動を通じて問題提起をし、日本の若者の意識を変えたい。「絶対に無理だ」と周りに言われても特攻に行ってくれた青年の気持ちで、諦めずにやり続けている。
神谷宗幣(かみや・そうへい)(株式会社グランドストラテジー代表・龍馬プロジェクト全国会会長)
昭和52年福井県生まれ。大学在学中に1年間世界を周り、日本はこれでいいのかと疑問を抱き政治家を志す。29歳で吹田市議会議員に当選。平成21年「龍馬プロジェクト全国会」を発足し、全国を奔走。市議では副議長を務めたのち、平成24年11月議員を辞職し、自由民主党の候補者として衆議院選挙を戦う。関西大学法科大学院卒業。龍馬プロジェクト全国会会長。予備自衛官3等陸曹。